アポロ11号月着陸船 その11 完成!!
2009年11月13日
完成!!
アポロ11号月着陸船 1/70 タミヤ の完成です。1/70とはいえかなり大型のキットで、陳列には高さも幅も必要です。タミヤクオリティで大変作りやすいキットなのですが、もともとは紐でつるして飛ばして遊んだりするプラモだったようで、あまりディテールにはこだわっていないだけで無く、合わせ目もスカスカでスケールモデルとはちょっと言い難いクオリティです。
でもそんなキットでも新たに金色のシートを付属させてくれるなど、多少の改善がされており、懐かしさも手伝って楽しく完成させることができました。
今回すでに完成しているプラモを、連載第11回までひっぱりたいために、プラモ日記史上初の試みをしてみました。最近は作らないことが多かったインチキ合成写真ですが、今回はは一気に13枚も作ってみました。
今を去ること40年前、アメリカ合衆国は人類を初めて他の天体に送り込みました。それには莫大な費用と長い年月が必要とされたにもかかわらず、アメリカ合衆国は大国の威信をかけ、それを断固として実施したのです。ケネディ大統領が1960年代の終わりまでに人類を月に送り込むと演説を1961年5月に行ってから、8年の歳月をかけ、1969年7月にその約束は果たされました。
その壮大なドラマを例のインチキ合成写真でお楽しみ下さい。
それではプラモ劇場『人類月に立つ』の始まり、始まり~
打ち上げ
1969年7月16日午前9時32分。人類史上最大(今もって最大)のサターン5型ロケットの1段目のエンジンに点火。6秒後、ロケットはゆっくりと上昇を始めます。
約2分40秒後、高度4400mを超えたあたりで1段目のロケットは燃え尽き、すぐに第2弾ロケットに点火。続いて約9分後、第2弾ロケットのエンジンも停止し、すかさず3段目に点火。この時点での高度は186000mにも達しています。
第3段目は2分30秒後に停止し、アポロ宇宙船は地球を周回する衛星軌道に乗ります。そして地球を1周半回りながら月へ向かうベストタイミングを覗います。
地球を離れる
打ち上げから2時間44分後、いよいよ第3弾ロケットに再点火。アポロ宇宙船は月へ向かいます。6分間の燃焼の後、再度エンジン停止。この後はロケットの惰性と月の引力に引かれて月に向かいます。
着陸船を引き出す
地球を飛び立ってから3時間17分後、3段目の先頭に付けられた司令船と機械船はバーニアを吹かせてゆっくりと三段目から離れます。
その後180度回頭し、格納庫の中の着陸船とドッキングします。
格納庫の扉は大きく4つに割れ、中から着陸船が現れます。機械船はバーニアを逆噴射して着陸船をゆっくりと引き出します。
切り離された3段目ロケットはその後スイングバイ(月の引力をつかって加速)を利用し、地球の引力圏を離れ太陽に向かいます。その後太陽の引力に捕まり、人工惑星となったはずです。
月へ向かい周回軌道に入る
着陸船を頭に付けた司令船(と機械船)はそのまま月に向かって飛行します。
地球を飛び立ってから3日後いよいよ月に到着します。そこで逆噴射による減速を行い月の周回軌道(長楕円)に入ります。月を2回回った後(4時間半後)、再度減速し、楕円軌道に修正します。
着陸船切り離し
4日目、いよいよ着陸船の操縦士と船長が着陸船に乗り移り、司令船から切り離されます。
切り離された着陸船は回転して、司令船に残った司令船操縦士に脚の展開具合を目視でチェックしてもらいます。 その後司令船は加速噴射をして着陸船から離れます。
下降
周回軌道上の宇宙船は猛スピードで飛んでいるため、そのままでは月面に降りることができません。いつまでも惰性で飛んだままです。空気抵抗がありませんからね。
そこで着陸船は逆噴射を繰り返して速度を落とし、次第に高度を下げていきます。この写真で着陸船の進行方向は右から左です。ロケットの噴射方向と逆ですね。こんな姿勢で着陸態勢に入るとは知りませんでした。
着陸
下降開始から1時間後、いよいよ着陸船は脚を月面に向けます。そして逆噴射で速度を調整しながら月面に近づきます。緊張の一瞬です。
降下開始から8分後、月着陸船イーグル号は月面に着陸します。着陸地点は静かの海と呼ばれる平らな砂地でした。
船外活動
着陸から6分後、着陸船のハッチが開き、その17秒後、アームストロング船長は人類で初めて月に1歩を記しました。続いてその約20分後にオルドリン飛行士も月面に降り立ちました。
月面での活動は約2時間に及び、今度はオルドリン飛行士、アームストロング船長の順で月着陸船に戻りました。
離陸
両飛行士が着陸船に戻ってから13時間が経過、地球を出てから5日目に、着陸船上昇部は下降部を月面に残してこれを発射台に飛び立ちます。
月の周回軌道に入るためにまもなく機体を徐々に横に傾けながら飛行し、司令船とのランデブーにそなえます。
司令船に戻る
上昇部が飛行を開始してから4時間後、ついに着陸船上昇部と司令船はドッキングを果たし、2名の飛行士は母船である司令船に戻ります。
その後すぐに着陸船は切り捨てられます。
地球への帰還飛行
地球からは電波の届かない月の裏側でメインエンジンが点火され、地球に帰還するための加速がおこなわれます。司令船から地球が見える頃には噴射は終わっていますから、実はこの写真の様にはなりません。
月を離れてから2日半、地球を飛び立ってから8日目に地球に戻ってきます。
大気圏再突入
大気圏上空で機械船はその役目を終え、切り離され捨てられます。
高度12万mで司令船は地球の大気の抵抗で減速を始め、それに伴い降下が始まります。空気抵抗で真っ赤になりながら降下を続け、 高度7000mで大きな3つのパラシュートを頭のてっぺんから出して、減速します。
そして地球を飛び立ってから8日と1時間後にハワイの南西海域に着水します。着水した司令船からは今度は風船が開き海の上に浮かんで救助を待ちます。
原子力空母から飛び立ったヘリコプターがまもなく飛行士たちを迎えにきて、英雄たちの無事が確認されました。
おわり
とまあ、こんな物語を作ることができるタミヤのキットでした。40年前の子供たち(もちろん私たちです)はデジタル画像合成なんてありませんから、このアポロ飛行船を手に空想の世界で冒険談をふくらませていたことでしょう。
べつに凝ったディテールアップをするわけでもなく、キットのままにほとんど素組で作ったのですが、こんなに気持ちが入って楽しめたのは久しぶりです。こんなすばらしいキットを再販してくれたタミヤさんに感謝!感謝!!です。
(全作品完成まで あと70)
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