ソビエト重戦車・T-35 Op.219 制作開始
2010年7月30日
Category : AFV ソビエト連邦Tags : T-35
これぞ、ザ・多砲塔

ソビエト重戦車・T-35 1/35 ICM
8月のモケ盆のお題として多砲塔戦車が決まったとき、真っ先に浮かんだのがコレなんじゃないでしょうか。旋回砲塔を5つも積んだ、なんとも巨大な戦車です。ところが私は多砲塔・多武装というレギュレーションに甘えて、クロコダイルというなんともセコイ逃げ道を見つけてしまい、楽々完成にこぎ着けていたのですが、なにやら心に中には不完全燃焼をしている思いがブスブスと・・・
そんな時、ホワイトタイガーさんのT-28の記事を読み、さらにその兄貴分のT-35が隣町の桑名市のプラモ屋にあったと聞くと、もうじっとしてはいられません。モケ盆まで残り3週間ですが、そんなに凝ったことをしなければいけるでしょう。とタカをくくって始めてしまいました。
実は1920年代に世界各国ではこのような多砲塔戦車の開発がブームとなっていました。しかし1925年の世界恐慌の影響で各国の軍事予算は大幅カット、巨大な多砲塔戦車は事業仕分けの対象となってしまったのです。『砲塔は5つじゃなきゃダメなんですか?』と言われては、国防省のお役人も返す言葉がなかったんでしょうね。『だって、カッコいいじゃん』では通りません(爆)。
そんな中、共産主義国だったソビエト連邦では世界恐慌なんてカヤの外、なんの影響もありません。他国が開発をあきらめる中、せっせと作って完成させてしまいました。そんなわけでこのT-35だけが唯一の5砲塔を持つ多砲塔戦車として華々しくデビューしたのです。
しかし、あまりの巨大さに装甲を厚くすることができず(わずか3cm)、しかも巨大さ故に走行系はすぐ壊れる(どこかで聞いた話)。そんなわけで、60数両も作られたのですが、たいした活躍もせずに、スターリンからは『戦車の中に百貨店はいらん』と怒られるしまつ。結果、T-35は量産された唯一の5砲塔戦車となったのです。
なかなかおもしろいと思いませんか?戦車の歴史を語るに外せない駄作戦車のT-35。もし世界大恐慌がなければ世界各国からこんな戦車がゾロゾロ出てきたかと思うと楽しいですね。でも、世界大恐慌がなければナチスの台頭も第二次世界大戦もなかったかもしれませんね。そうなるとタイガーもパンターも・・・
いやいや、戦争はない方が良いんです(キッパリ)。
制作開始
キットはウクライナのICMというメーカーのキットです。ICMはフィギュアは定評があるのですが、車輌は東欧キットのご多分に漏れず・・・といったところですが、並み居る東欧の強敵の中では、それでも作りやすい方かと思います。以前作ったルクスは案外良いキットでしたよ。
まず、箱を開けてビックリしたのはパーツが離型剤の油でギトギトだったことです。とにかく食器洗いに付けて、ブラシで洗い、キレイに流しておきました。
いよいよシャーシの箱組です。タミヤの様にキッチリとしか合わせられないような工夫があるはずもなく、慎重に慎重を重ねてくみ上げ行きます。それでもパーツの合いはなかなか良いようで、丁寧に作れば問題なく垂直が出るようです。やれやれ・・・
室内には運転席とエンジン、トランスミッションが付きます。どうせあんまり見えないでしょうから、作らなくてもいいくらいですけど、せっかくなので組み立てておきました。
おっと、ビックリ!!車体の天板が大きく変形しています。こんなに派手に変形しているのは初めてですね。 わざとじゃないかと思えるほどです。
テープで押さえてやればなんとか収まりますから、接着の時にしっかりと押さえ込むことにしましょう。でもそうなると車体の上下を別々に塗装するという技は使えません。履帯のロコ組もできそうにないので、こうなると組み付けた履帯をフェンダー付きの状態で塗らなければならなくなります。さてどうしましょう。
エンジンデッキのハッチを開ければこんな風にエンジンがちらりと見えます。せっかくなのでハッチはピットマルチ留めにしようかな。
ホイール
ホイール類を組み立てます。上部転輪が少々多いくらいで、足回り関係のパーツ数は4号戦車と同じくらいです。サスペンションも形式が4号戦車と良く似ています。ということは・・・めんどくせ~
それよりも問題なのはこちらです。私は起動輪を組み立てるときにちゃんと歯が同じ位置にくるように履帯をはめてみます。ところがつないだ履帯がどうやってもうまくはまりません。履帯をもう一度ばらばらにして無理矢理はめ直したらなんとかはまりました。
よく見ると履帯のコマとコマの間に隙間があります。つまり履帯のピッチと起動輪の歯のピッチが合っていないのです。おいおい、こりゃないでしょ。
起動輪の歯の数が違うってことはないでしょうから、起動輪の直径がわずかに大きいか、それとも履帯がわずかに小さいか・・・
いずれにしてもこれは困ったことになりました。これがBT-7なら履帯を外してタイヤ走行にしてしまうのですけどね。
(全作品完成まで あと77)
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