ドイツ・8.8cm対戦車砲Pak43 Op.252 制作開始
2011年8月6日
Category : AFV ドイツTags : 8.8cmPak43
8.8cm砲といえばドイツ軍を代表するくらい人気の大砲なんですが、よくゆうハチハチは対空砲のFlak18や36のことなのですが、なにしろあちらは戦車も撃ったとはいえやはり対空砲、ホンマモンの(そうなの?)8.8cm対戦車砲と言えばやっぱりこのPak43でしょう。
大砲のサイズを表すときにcmやmmで表されるのですが、これは砲身の筒の内径を表していまして、8.8cm砲というと筒の内径が8.8cmということなんですね。
これがいわゆる口径と言われるものなんですが、最近では砲身の長さを表す口径長の単位として口径を使うために少々ややこしい話になっています。たとえば、このPak43では砲身の長さは口径の71倍ですから8.8×71=624.8cmとは言わずに、71口径と呼ばれます。
ここから口径というのはどうも砲身の長さの単位みたいになってしまっています。正式には口径長と呼ぶべきでしょうが、なんだかすっかり世間様では口径で通ってしまっています。
ちなみに対空砲の8.8cmであるFlak18とか36は56口径でして、口径長は約4.9mと少々短めです。
大砲の弾は薬莢の火薬の爆発による膨張で加速されるわけでして、砲身が長ければ長いほど加速時間が長くなるため、砲弾のスピードは上がります。つまり口径長が長い大砲は同じ直径の砲弾を撃ち出しても威力があるんですね。もちろんその分火薬の燃焼時間が長くなりますから、薬莢は大きくなります。
パンターの主砲である7.5cm砲は直径こそFlak36より小さいものの70口径と砲身が長いために、砲弾の速度が速く、近距離なら威力があったと言われています。距離が遠くなると砲弾が小さいので空気の抵抗を受けやすく威力の衰退が大きいんですね。
余分な話が長くなりましたが、このPak43とこれを戦車(キングタイガー、エレファント、ナスホルン)に搭載したKwk43はたくさん作られた対戦車砲の中では最も威力があり、連合軍のあらゆる戦車をアウトレンジから射貫くことができました。
砲架の組み立て
Pak43は大型化したため、それまでの7.5cmPak40などのように開脚式の砲架では無く、8.8cm対空砲のFlak36などと同じ十字砲架を採用しました。実はこの砲架の生産が間に合わず、8.8cm対戦車砲の全生産数3500門のうち約1400門は開閉式の15cm重野戦砲の砲架に乗せられました。でも、こちらが正式なんですよ。
この砲架は安定しているので車輪を付けた状態でも射撃が可能でした。でもその場合は砲の角度は左右30度しか振ることができません。それ以上振ると発射の衝撃でひっくりかえっちゃいますからね。
砲架だって手を抜かず非常に精密に作られています。ブレーキのパイプ(ですよね?)もちゃんとパーツが付いており、ディテールアップいらずです。
また、運搬姿勢にするために脚を折りたたむこともできます。私は杭を四隅に付けてしまったので、設置状態しか作ることはできませんけどね。
上部砲架と揺架の組立て
上部砲架と揺架を組み立てます。このゴチャゴチャ感がたまりませんね。最近の大砲のキットはこのあたりの手抜きは一切無く、非常に精密に再現されます。
下部砲架に乗ってくるくる旋回する部分が上部砲架です。そしてこの上部砲架に砲耳(ほうじ)で支えられて上下に動く部分が揺架と呼ばれる部分です。この揺架に砲の本体が乗るんですね。ここでは砲尾の閉鎖機と駐退復座機がおさまる筒が付いています。
揺架は上下に俯仰します(俯は下向き、仰は上向きの動作です)。それにあわせて平衡器のピストンも伸縮して角度を変えます。ところが照準器につながるロッド(赤く塗った部分)は全く固定されており、角度が変わるどころか離れてしまいます。これは少々残念ですね。AFVクラブなら絶対に可動したでしょうね。
防盾の組立て
防盾はプラパーツとエッチングパーツの両方が入っています。エッチングパーツの防盾ですが、組み立てはそれほど大変じゃないので、こちらを選択されることをオススメします。
防盾はドイツ軍の伝統(なのか?)で、薄い板の貼り合わせでできています。2枚をつなぐボルトはプラパーツです。エッチングパーツは長い距離をまっすぐに曲げなければ行けないので、ここだけは注意が必要です。
防盾の砲手のいる側は装甲板が延長されています。瞬着でも付けることは可能ですが、より強度を出すために私はハンダ付けしました。実は最初瞬着で付けていたんですが、すぐに取れちゃったので、瞬着を削り取ってハンダ付けしたということです。
ハンダを付けすぎても大丈夫です、キサゲはけという道具でごしごしこすってやると、柔らかいハンダだけが削り取られて、キレイな接合面だけが残ります。
砲身、リンバー、砲弾ラックの組立て
こちらは砲身です。アルミ製の砲身が付属します。最近のキットはゴージャスですね。
防盾の裏側に付く砲弾ラックです。わずか6発しか格納できないなんて気休め程度ですよね。
砲弾のおしりにはエッチングパーツが付きますが、そうなると未塗装で済ませられますから、塗装後に接着することにします。
エッチングパーツの砲弾ケースはシャープですね。
前後のリンバーです。ほぼ同じカタチですね。タイヤはゴム製ですから塗装の時には取り外します。実はこのリンバー、けっこうパーツ数も多く組み立てには時間がかかります。前後のリンバーで砲や砲架を作るのと同じくらいの時間はゆうにかかりました。
これにて役者はそろいました。組み立て完了です。次はいよいよ塗装作業ですね。
(全作品完成まで あと99)
この記事は i-modellers 根生の大砲ギャラリー に掲載された記事 を再編集したものです。
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