地球深部探査船ちきゅう その8 前部パイプラック
2012年12月28日
地球は深い海底をマントルまで掘ります。なぜ海底かというと深い海ほど地殻が薄く掘削する距離が少なくてすむからです。ですが数千メートルもの深さの海でさらに数千メートルも掘るわけですから、パイプの長さは1万メートルにも達します。
さらにそのパイプは掘削した穴がつぶれないように泥水(でいすい)と呼ばれるドロドロの液体を流すためのライザーパイプとその中に入れて掘削を行うドリルパイプの二重構造になっており、それぞれを1万メートル分を積載しています。そのため船の上はパイプラックだらけでして、今回製作したのは掘削櫓の前にあるドリルパイプのラックが並ぶ部分です。
ドリルパイプは青い枠の中に並べられるのですが、一番下には甲板とすれるのを防ぐための材木が置かれています。これが木でできていることを突き止めるまでどれだけ『ちきゅう』の写真を探したことか・・・
ラックの並ぶ甲板の上には高い位置に掘り出したサンプルを取り出すための装置(タブンネ)があります。『ちきゅう』の紹介ページでサンプルの取り出し風景の動画がアップされていますが、非常に細長いサンプルはここで取り出されてただちに研究棟に運ばれます。空気に触れて変質しちゃこまりますからね。鮮度が命のサンプルをすぐに分析するために海の上に研究室まで作っちゃったってことです。
この変なモノはROVと呼ばれる無人探査機です。探査機本体は黄色いパーツでして、ほんのチョッピリです。その上にある銀色のお釜(ホントは黒い部分は抜けています)は探査機をつり下げる装置、周囲の青い部分が探査機を海に降ろすアームとかです。
パイプラックの両側にはパイプをつり上げて櫓に運ぶクレーンが1基ずつ装備されています。クレーンの上の方にある白い部分が操作するクルーが乗り込むキャビンです。クレーンの巨大さがわかりますよね。
(全作品完成まで あと85)
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