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T-34/76 第112工場 その2 エンジンと足まわりの制作

Category : AFV ソビエト連邦

Scale : 1/35 Maker : AFVクラブ Post : 222-2

T-34/76 第112工場 エンジン

T-34/76 第112工場 エンジン

T-34シリーズに搭載されたV2型エンジンです。なんとこの当時の戦車用としては珍しいオールアルミ製のディーゼルエンジンで、V型12気筒で500馬力をたたきだしました。4号戦車のマイバッハLH120エンジンが300馬力だったことを思うと装甲が厚く重量が重かったことを差し引いても強力で、4号戦車が時速40キロを出せなかったのに対し、時速55キロで走行できたそうです。こりゃとんでもないですね。

ドイツ陸軍の偉いさんが、開発中の5号戦車(パンターですね)の開発なんか止めちゃって、このT-34のコピーを大至急作れと言ったのですが、このアルミ製ディーゼルを作ることが出来なくて断念したといううわさ(?)があるほどです。

T-34/76 第112工場 エンジンとトランスミッション

T-34/76 第112工場 エンジンとトランスミッション

エンジンやその他のパーツを組み込んでみました。右側のラジエターが少し(ナノカ?)ゆがんでいるのはご愛敬です。

エンジンルームは前後2つの部屋に分かれており、前がエンジン、後ろがトランスミッションです。エンジンの出力軸には大きなシロッコファンが付けられており、これがエンジンルーム内の空気を外に排気しています。前後の部屋の間には中央部分に穴が開いており、ラジエターの外側から入った空気がラジエター→エンジンと冷やして後ろの部屋に流れます。なかなかよく考えられたエアフローですね。

T-34/76 第112工場 機関室後室

T-34/76 第112工場 機関室後室

後室はシロッコファンのおかげで気圧が高くなっており、ここに吸気用のエアフィルターが置かれています。ここから前室のキャブレターに空気が送られます。

キットは非常に良くエンジンを再現しているのですが、やはりパイプ類は省かれています。そこで燃料パイプをソフトワイヤーで追加しておきました。

変速機の両側にあるのはブレーキです。他国の戦車もほぼ同様に起動輪の根本に付いていますよね。キットではこのブレーキを引っ張る装置も付いているのですが、組み立ててしまうとまったく見えなくなってしまいます。

T-34/76 第112工場 転輪

T-34/76 第112工場 転輪

インテリアの下半分が出来たので次は足回りを組み立てます。転輪はこのようにゴム部分と鉄の部分が別々のパーツとなっているため、塗装後に組み立てることもできます。転輪の塗り分け作業から開放されるというわけですが、バラバラになったパーツに持ち手を付けて塗装するのも、それはそれで面倒ですよね(笑)。

T-34/76 第112工場 車体の汚し

T-34/76 第112工場 車体の汚し

転輪を塗装しているあいだに車体も塗装とウエザリングをすませておきます。サフ吹き、影吹き、基本塗装をすませ(画像はありません、すみません)、いつものようにピグメントで汚します。今回はあまり激しく汚さないようにしています。えっ?結構汚いって・・・、いつもはもっとドロドロなんです。

T-34/76 第112工場 マスタークラブ社のレジン製履帯

T-34/76 第112工場 マスタークラブ社のレジン製履帯

続いて履帯も組み立てます。履帯はマスタークラブというメーカーのレジン製可動式履帯を購入しました。モデルカステンに比べるとかなりお値打ちなのですが、一つずつピンを刺す穴を開けてやらなければならないのが大変です。ただ押し出しピンの跡もありませんし、非常に繊細なモールドがステキです。

実車では履帯を留めるピンは右から左まで1本で刺さっているのですが、キットではカステン同様に左右から別々のピンで留めます。片側は頭が飛び出るピン、反対側は完全に埋まってしまうピンです。

T-34/76 第112工場 履帯連結ピンを戻す突起

T-34/76 第112工場 履帯連結ピンを戻す突起

T-34の履帯を連結しているピンはただ刺さっているだけで、脱落防止用の固定がありません。じゃあどうなっているのかいうと、抜けかけたピンを車体に付けられた出っ張り(矢印)で押し戻すという仕組みになっています。ですからT-34ではピンの頭が出ている方が内側になるというわけです。

ドイツ軍の車輌にも同様の出っ張りがある車輌もあるのですが、これはよれた履帯が車体にこすれるのを防ぐためで、T-34の出っ張りとは役目が違います。

T-34/76 第112工場 履帯の取り付け

T-34/76 第112工場 履帯の取り付け

T-34の履帯は前後左右がありませんからもう適当に組んで、ピンの向きだけ気にしてはめれば良いので、間違いが少なくて良いです。そそっかしい私にピッタリですね。

履帯は片側78コマでした。ドラゴンのキットでは76コマでしたが、可動式サスペンションのため、多少ゆるめにはめてあるからかもしれませんね。

履帯も車体同様にピグメントで汚し、軽く銀ブラシをしました。

この記事は i-modellers 創刊号に掲載されたものを再掲載したものです。

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