ドイツ・12.8cm野砲K44[クルップ] Op.260 制作開始
2011年11月23日
Category : AFV ドイツTags : 12.8cmK44
ソ連に侵攻したドイツ軍はそこで122mm砲という見慣れないサイズの大砲に出会います。
ドイツ陸軍が使っていた大砲のサイズは8.8cmの上が10.5cm、その上が15cmという口径だったのですが、その中間のサイズの有用性に着目したドイツ陸軍は、海軍砲や対空砲で使われてた12.8cmの生産設備を使って新しいサイズの野砲や対戦車砲を開発することを決定します。
そして8.8cmPak43で成功した背の低いレイアウトを持った野砲/対戦車砲をクルップ社とラインメタル社の両方に設計させ競作としました。今回制作するのはクルップ社の設計によるものです。
巨大な砲と砲架を支える車輪はリンバーとして取り外しできるようにするのが今までのパターンだったのですが、このK44[クルップ]では上に車輪を持ち上げることで地面に固定できるように工夫されました。巨大な砲の積み降ろしを人力だけでしなければいけない従来の砲のことを思うとなかなか気の利いたデザインですよね。砲の口径は12.8cm、口径長は55口径で約7mにもなります。
キットはトランペッターの1/35で、定価が2500円程度と比較的安価なわりに内容は充実しており金属パーツもふんだんに入っています。平衡器のピストンとシリンダーも金属製ですし、迫力満点の砲身もアルミ製です。さらに穴がたくさん空いたタイプのマズルブレーキもエッチングパーツ製とプラ製の選択式となっており、エッチングパーツを組む自信の無いモデラーはプラ製も選択できます。
パーツ数は決して多くは無いのですが、細かなパーツもしっかりと再現されており、さらに破損を防ぐためにランナーにクッションが巻かれているのは好感が持てます。組むのが楽しみになってきますね。
組み立て
砲架を組み立てます。本来なら十字砲架の組み立てはわりとあっさりとした物になるのでしょうが、K44の場合は上下可動式の車輪が組み込まれますからなかなか大変です。
非常に多くのパーツがここに使われており、ここを作るのに一番手間取ります。ちょうどリンバーの組み立てが大変なのと同じですよね。
車輪が付く部分はちゃんと実物同様に上下するギミックが付いており、組み立てた後もちゃんと上下させられます。十字砲架の横の脚も折りたためますから、運搬状態と戦闘状態の両方の形態をほぼ切り替えることができます。
ほぼと書いたのは、砲架の中央部分に付く4つの板がどちらかの状態を選択して接着するようになっているからでして、ここを加工するかピットマルチ留めにすれば完璧ですよね。わたしは戦闘状態で貼り付けちゃいましたけど・・・
続いて砲架の上部と砲本体を組み立てます。多少操作部分がごちゃごちゃしていますが、パーツの精度も良く説明書もわかりにくいところは無いのですんなりと組み立てが終わります。
砲は俯仰させられるように組めるのですが、なにしろ砲身が中身の詰まった金属棒のためかなりの重量があり、すぐに垂れ下がってしまいます。しかたがないので、角度は固定にしてしまいました。まぁ、野砲とはいえ対戦車砲なので水平が一番似合いますよね。
唯一組み立てに苦労したのがこのマズルブレーキです。なにしろ平らな板を丸く曲げるのですが、ちょうど真上に来る穴の空いていない部分は曲げにくく、まん丸にするのにかなり手間取りました。というか、まん丸にはなってません・・・(^_^;)
砲の巨大さを見てもらうために砲兵さんに登場願いました。こうしてフィギュアを隣に添えるとキットの大きさがよく分かります。これで2500円(実売は2000円ちょい)はお買い得ですよね。これだから大砲のプラモは大好きです(笑)。
(全作品完成まで あと95)
この記事は i-modellers 根生の大砲ギャラリー に掲載された記事 を再編集したものです。
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