ティーガー1極初期型 その2 車体下部と転輪の組立て
2010年11月16日
Category : AFV ドイツTags : ティーガー1
今回の特集テーマは『垂直装甲』です。ただ単に垂直になってりゃいいってもんじゃなく、分厚い装甲で真正面から受け止めるというイメージですから、このティーガーも装甲板の無骨さをより強調していきます。また、フェンダーなどが付いていない側面の装甲板などはそのままでは間延びした印象になってしまいます。そこで装甲板には圧延鋼板特有の表面の荒れを追加します。
最近のドラゴンのキットでは圧延鋼板の荒れや鋳造肌などの表面のテクスチャーはみごとに再現されているのですが、この頃はまだツルツルすべすべのキレイなお肌をしています。最初に接着剤を塗りつけてそこをワイヤーブラシで叩いて荒らし、一度軽く表面をやすりがけします。鋳造肌と違って圧延鋼板の荒れは穴が開いているようにへこんでいますから、飛び出した部分は削りとりわけです。そしてさらにバードリルを低回転で回して表面で暴れさせてキズを付けました。
溶接の痕はキットでも表現されていますが、どうしても接着面でわずかな隙間が空いています(写真左)。そこでヒートペンを使って溶接痕を反対側のパーツにまでのばしてやって、隙間を埋めます。実際に溶接しちゃうわけですね(写真右)。
牽引フックを取り付ける穴の下にある丸いモールドは始め押し出しピンの跡に見えたのですが、よく見ると溶接の痕のようにも見えます。以前、読者の方から寄せられた情報を思い出しまして、これの事だったんだと納得しました。これは試作車輌にのみ付いていた履帯プロテクターのアーム差し込み口を塞いだ跡だったんです。こんなところまでキチンと再現されているんですね。
鋼板のエッジには溶断の痕を付けておきます。デザインナイフの刃先でランダムにキズを付けてやって、その上から軽くスポンジやすりでこすってやるだけです。今のドラゴンのキットではほとんど見られなくなった押し出しピンの跡がまだところどころに残っています。目立たない場所ですが、見える場所だけは埋めておきます。
転輪は貼り合わせておいてからタミヤのクラフトやすりで一気にゲートを削ります。クラフトやすりは鋭い刃が無数に並んだ形状をしているため、こんなサイズにもかかわらず切削面は非常になめらかに仕上がります。そのため、これ一本で仕上がってしまうので非常に便利です。
(全作品完成まで あと84)
この記事は i-modellers第2号 に掲載された記事を再編集したものです。
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