ドイツ重戦車・ティーガー1極初期型 第502重戦車大隊 Op.229 制作開始
2010年11月10日
Category : AFV ドイツTags : ティーガー1
独ソ戦開戦と同時にソ連軍のT-34やKV重戦車と遭遇したドイツ軍は、従来の3号・4号戦車よりも強力な火力と厚い装甲を持った重戦車の必要性を痛感します。そして開発され戦線に投入されたのが6号戦車E型、ティーガー1型戦車なのです。
ティーガー1型重戦車の投入に合わせて重戦車大隊が編成され、第501重戦車大隊は北アフリカへ、第502重戦車大隊は東部戦線へ送られた。本来最初のティーガー1型戦車は第501重戦車大隊に投入される予定だったのが、ポルシェ車体を用いて製造されていた最初のロットが、ポルシェ車体の走行系に重大な欠陥があることがわかり、作り直すことになったため、記念すべき最初のティーガー戦車は第502重戦車大隊へと送られました。
慌てて送り出された極初期のロットは、まだ各種装備品の規格が固まっておらず、なかなか個性的です。今回はそんな中でも一番最初にレニングラードに送られた20輛の内の1輛を作ります。
使用するキットはドラゴンの初期のキットで、まだプレミアム・エディションと言う言葉もなかったころのようで、箱にはプレミアムの記述はありませんが、その内容はプレミアムと呼ぶにふさわしいオマケっぷりです。最近この極初期型はリニューアルされたのですが、へそ曲がりな私はこちらの古いキットを作ります。だって、在庫があるんだもん・・・(涙)
キットは3in1ということで3種類に作り分けることが出来ます。一つは砲塔の両側に耳のようにゲペックカステンが付いたタイプ。もう一つは3号戦車のゲペックカステンを付けたタイプ。そして、それにシュノーケルを付けて潜水仕様にたタイプです。ティーガー戦車はその重量から橋を渡ることが困難と見られ、川を渡るときは川底を潜って進むように作られていたのですが、後にその装備は無くなりました。
履帯はマジックトラックが入っていますが、残念ながらガイドホーンの軽め穴は抜けていません。リニューアルされた極初期型ではベルト式ですが、ちゃんと軽め穴は抜けているそうです。くやし~
このときのティーガー戦車は左右で別々の履帯を履いていました。戦車の履帯は左右で同じ物を使うことが多いのですが、実はティーガーの履帯は左右非対称なのです。でもそれでは効率が悪いと言うことから、最初の20輛以降は同じ履帯の向きを変えて装着されました。そのため直進性に問題があったとか、無かったとか・・・
そんな特殊事情があるため、この左右対称の履帯で軽め穴が抜けている物はカステンにもフリウルにもありません。唯一存在しているのがマスタークラブのレジン製履帯なのですが、どうやら今は品切れ状態の様で入手することができません。これはあきらめるしかありませんね。
キットにはエッチングパーツが最初から付属しています。可動式ではないのですが、OVMクランプも入っています。最初の20輛にはフェンダーも排気管カバーもありませんから、それらは入っていません。
おまもりの蹄鉄までエッチングパーツに入っているのに、なんとティーガー戦車では定番のエンジンデッキの網が入っていません。私ははじめ、最初の20輛にはこの網が付いていなかったとばかり思っていたのですが、開発を急いだドラゴンが忘れた(?)ようです。
後にグムカからエンジンデッキの網が追加パーツで発売されました。その際に3種類も入っているのに一つも寸法が合わない、前のフェンダーの滑り止めパターンも付属してくれています。このグムカのエッチングパーツはこのキットには必須ですね。
他にもこれだけ金属パーツが入っています。ドラゴンは太っ腹ですね。金属砲身はスプリングでリコイルするギミックが付いています。アンテナや砲弾、薬莢だけじゃなく、牽引フックやスモークディスチャージャー、そしてライトコードまで付属しています。
昔プレミアムの後期型を作ったとき、この金属製のライトガードを付けようと思ったのですが、コーティングをしたのでサイズが合わずに使えなかったことがありました(汗)。
そしてとどめはバケツですね。ちょいとオーバースケールなのですが、プラ製に比べると圧倒的にリアルです。でも、使い道が・・・
他にもオマケが満載です。OVMはエッチングパーツを使うための物と、エッチングパーツを使用しない場合のパーツの2種類が入っています。
砲弾ケースや砲弾、ジェリカンも付属しています。しかもご丁寧にエッチングパーツまで付いています。
ここまでやるか!のとどめは、記録映画を撮影しているカメラを構えた兵士のフィギュアと脱いだ戦車兵の制服です。これ付けたから余分に売れるってわけでもないでしょうにね(笑)。
さあ、連合軍兵士を震え上がらせた虎伝説の始まりです。
(全作品完成まで あと84)
この記事は i-modellers第2号に掲載された記事です。
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