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イギリス・歩兵戦車チャーチルMk.3 Op.236 制作開始

Category : AFV イギリス

Scale : 1/35 Maker : AFVクラブ Post : 236-1

イギリス・歩兵戦車チャーチルMk.3 1/35 AFVクラブ

イギリス・歩兵戦車チャーチルMk.3 1/35 AFVクラブ

第1次世界大戦で戦車を初めて世に送り出した英国陸軍はその経験から、戦車を軽量高速な巡航戦車と強力な装甲を持った重厚な歩兵戦車に分類して開発を進めました。歩兵戦車は歩兵に随伴するのが目的ですから高速性は必要ないのですが、その代り人が歩ける場所ならどこでも走破できる性能が求められました。また相手が歩兵やトーチかですから、その武器は対戦車砲ではなく、迫撃砲や小型の大砲、機関銃が重視されたのです。

そんな開発コンセプトに基づいて作られたのがチャーチル戦車でした。塹壕を超えるために長い車体を持ち、どんな斜面も登れるように設計された足回りはすばらしい走破性を示したものの、予定通り速度はしっかりと遅かったのです。

そんな速度の遅さをカバーするために車体は思いっきり頑丈に作られており、その分厚い装甲はドイツ軍の主力戦車である3号戦車の対戦車砲をはじき返しました。チャーチル戦車の初陣である、ディエップ上陸作戦では、その重さ故に砂浜で立ち往生して全滅するのですが、ドイツ軍の対戦車砲にやられた車輌が1輛もなかったことからその丈夫さがうかがい知れます。

もともとチャーチル戦車は歩兵支援車輌なので、主砲は2ポンド砲と、この大きな車輌に似合わないほどの貧弱な大砲でした。その代り、なんと車体に3インチ榴弾砲を搭載していました。しかしあまり役に立たない3インチ榴弾砲はMk.2では取り払われ、その代りにMk.3では主砲がより強力な6ポンド砲に取り替えられました。

キットはAFVクラブのチャーチルMk.3です。あの大量に付いた小さな転輪のサスペンションが金属バネを仕込んで全部可動するなど意欲的な製品です。チャーチル戦車はタミヤの古いキットしかなく、長らく新しい製品が待ち望まれていただけに、出たときは感激でした。しかもタミヤは後期にあたるMk.7に対して初期型のMk.3ですからね。制作はほぼ素組で進めるつもりですが、AFVクラブの製品ならばそれで十分でしょう。歩兵支援車輌ですからタイガー戦車とは比べるべくもありませんが、英陸軍歩兵たちの頼もしい味方をお楽しみください。

足回りの組み立て

チャーチルMk.3 サスペンション

チャーチルMk.3 サスペンション

最初に説明書を見たときには、なんだこれはと思いました。小さなサスペンションに一つずつバネをしこんではめていきます。片側11個のサスペンションをくんでおいて、それをボディのパーツで挟み込んで接着します。なかなかスリリングな作業です。ですが、それほど困難な作業じゃありませんよ。

チャーチルMk.3 サスペンション

チャーチルMk.3 サスペンション

つづいてサスペンションのアームを支えるパーツを作っていきます。こちらも11個のアームを挟んで接着するのですが、こちらは一気に並べて挟もうと思っても、両側の枠が非常に繊細で薄いパーツでできているので困難です。端から順に一つずつ挟んでは接着を繰り返して組み立てた方がいいでしょうね。

チャーチルMk.3 サスペンション

チャーチルMk.3 サスペンション

サスペンションの上下がそろいました。実はこれを接着するのが一番大変な作業です。

チャーチルMk.3 サスペンションの組立て

チャーチルMk.3 サスペンションの組立て

最初に上下を仮組みするのですが、バネ側の軸の向きを11個全部そろえないとはまりません。

なんとか無事仮組みができたら、クレオスの流し込み接着剤を接着面に流してやります。クレオスの流し込み接着剤は非常に乾燥が早いので助かります。指でしっかりとバネを押さえながら順に接着してやればなんとか形にすることができます。ここは正念場ですね(チョットおおげさ)。

チャーチルMk.3 左右の転輪

チャーチルMk.3 左右の転輪

これを左右2つ作り、車輪をつければ転輪のできあがりです・・・と書けばあっさりしていますが、ここまでで3時間の行程です。でも、大量の転輪には電車の車輪のような形をしているので、パーティングライン消しの作業も無く、数は多くても4号戦車よりは楽しい作業でした(笑)。

チャーチルMk.3 車体の組立て

チャーチルMk.3 車体の組立て

車体を組み立てます。左右のポンツーンをつないで箱組みにします。ここは慎重に仮組みを行いながら組み立てないと変な形になっちゃいますから、要注意です。とはいうものの、そんなに難しくありません。丁寧にすすめればだれでも直角が出るようにうなっていますから、安心してください。

(全作品完成まで あと89)

この記事は i-modellers 第2号 に掲載されたものを再編集しました。

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