歩兵戦車マチルダMk.3/4 その8 【水性ウオッシング】
2009年8月23日
Category : AFV イギリス ノウハウTags : マチルダ
水性ウオッシング
ホワイトタイガーさんの実演を見せてもらって、アメリカーナによる水性ウオッシングの要領がつかめたので、さっそくやってみることにしました。用意したのはもちろんアメリカーナのチャコール・グレーです。みごとなどぶ水色です。
これを筆塗りよりは薄めといった感じで溶きます。エナメルでウオッシングをするときよりも濃いめです。ですがエナメルのセピアよりはグレーが入って白っぽいため真っ黒にはなりません。良い色です。
マチルダの足回りは細かいパーツが多く、エナメルでは壊してしまうのではと心配になるのですが、水性ですから全然大丈夫です。筆でジャブジャブと塗っていきます。
エナメルは油ですからプラスチックと親和性が良く、隙間にサッと流れ込んでいきます。そのため溝や穴にもウオッシング塗料が入りやすいのです。これはウオッシングのしやすさの元になっているのですが、これがために接着箇所を侵すという危険もあるのです。
一方水性はプラとの親和性が悪いため、意識して入れてやらないと奥まった所には入りません。ただジャブジャブと大量に塗ればその問題は簡単に解決します。そしてなによりも安心というのは嬉しいですね。
実は棚に並べてあった昔作った作品の中には、軟質プラで出来たタイヤがぱっくりと割れて閉まっている物があります。これもウオッシング液が原因じゃないかと思っています。
拭き取り
エナメルは乾燥後に溶剤を染ませた綿棒で拭き取り、残す濃度の調節をしますが、水性アクリルは乾燥後は水では拭き取れません。そこで乾燥前に拭き取っていきます。
複雑な足回りのマチルダの拭き取りに大活躍したのが、タミヤの新発売のクラフト綿棒です。これはたしか三角Sサイズだったかとおもうのですが、先が硬く(綿棒としては)とがっているので奥までキッチリと拭き取れます。
万が一拭き取り損なって乾燥してしまったばあいは、アクリル溶剤で拭き取りますが、余り強くこすると塗膜を痛めるので注意が必要です。
上がウオッシング前、下がウオッシング後です。セピアの時に比べると影の付き方が弱いのですが、全体にすすけた感じは良い雰囲気です。今回は塗装色が明るいのでなかなか良い感じに仕上がったと思っています。
雨だれ
わたしはウオッシングの後、雨だれなどを描込みます。今回はこれもアメリカーナです。今度はセピアや茶色、黒などをパレットに取り出し。濃度を調節して描込みます。
リベットなどからの雨だれは面相筆で描くのですが、広い面はこのフィルバート・コムという毛がまだらに生えた平筆で描きます。無数の細い線をランダムに引くためのブラシで、アメリカーナと同じアシーナ社の物です。これは便利です。
これでウオッシングの作業は完了です。乾燥したらドライブラシを行いましょう。といってもエナメルと違いすっかり乾いていますけどね…
薄めたアメリカーナは乾燥後白っぽくなりました。今回はこれでもまったくOKなのですが、色の濃いジャーマングレーやオリーブドラブの車輌の場合はどうなるか判りませんね。エナメルと違って気に入らなければ拭き取っちゃえというわけにはいきませんからね。
それと完成後の塗膜の弱さも気になりますよね。でもこの上からピグメントを塗るので、それはもともと塗膜が強くありません。それよりは取れやすいと言うことは無いでしょうから、クリアのオーバーコートは必要無いと思います。
(全作品完成まで あと67)
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