三菱・零式艦上戦闘機21型 Op.92 制作開始
2007年5月28日
AFV模型の世界では人気ナンバーワンはタイガー1型戦車ですが、飛行機模型ではやはりゼロ戦でしょうか。太平洋戦争の開戦当時は世界最強の戦闘機で、その先進の技術が詰まったスマートな機体はとてもカッコいいですからね。しかもこれが純国産ですから人気があるのも当然でしょうね。
昨今AFV模型界では、価格が若干高めながらも、これでもかとうほどのマルチマテリアル化で究極のキットを目指すドラゴンが圧倒的なシェアを持っています。タミヤはその卓越した組みやすさや正確なプロポーションで高い評価を得ているのですが、ドラゴンと同じことをしようと思うと、高い日本の人件費では価格で太刀打ちできません。最近では1/48に逃げているようで(失礼)、タミヤが開拓した1/35MMシリーズは年に数えるほどの新製品の開発しか無くパッとしません。
しかしそんなタミヤがこれだけは絶対に譲れないというほどのキットを出しました。それがこの零式艦上戦闘機21型(要するにゼロ戦初期型)です。ドラゴンのプレミアムキットに負けない(超えている)ほどのマルチマテリアル化ですばらしい内容です。ただお値段もドラゴンの戦車2輛分とさすがにお安くはありません(T_T)
昨年このキットが新発売になり、各雑誌で取り上げられました。詳しい解説やすばらしい作例を見るに付け、いつかは作ろうと計画していました。そんなときモケモケさん(行きつけの模型屋さん)の7月の展示会のテーマが『海軍機』と決まったので、一も二もなくこのタミヤの零戦に決定です。
内容のすばらしさ、価格の高さ、サイズの大きさから多少ためらいはありましたが、それでもモデラーたるもの一度は作ってみたい零戦の決定版です。製作期間は1ヶ月あります。モデルグラフィックス2006年8月号『ゼロ戦が作りたくなる本』を片手に張り切って行きましょう。
薄い色の機体は透ける?
零戦21型は薄い灰色の機体です。それゆえプラスチックの薄い部分では透け気味になり、これがキットをおもちゃっぽくみせてしまうそうです。そこで裏側に銀色を塗ります。
手持ちの銀色の塗料はクレオスのスーパーシルバーかタミヤ水性アクリルのフラットアルミです。下塗りにスーパーシルバーはもったいないので、フラットアルミで行くことにします。この上からラッカーの青竹色を重ねるので、フラットアルミもラッカーで溶きました。零戦はアルミ合金(ジュラルミン)製ですから、ちょうど良いですね。
機体内部の塗装
さっそく機体の内部の塗装と小さなパーツの取り付けです。塗装しながら進めるのですが、この青竹色は塗装が難しく、エアブラシで塗ってもムラになります。塗料が透けるので、重なり具合で色の濃さが変わってしまうのです。ただ、実機でもこの塗料はさび止めの透明の塗料だったようで、多少の濃度のムラはあったんじゃないかとおもうのですが・・・
エアブラシで塗ってもムラができやすいのですから、ましてや筆ではまるでキレイに塗れません。どんな小さなパーツでもエアブラシを引っ張り出さなければならなさそうです。よほど段取りを考えて進める必要がありそうです。
ほとんどわかりませんが、これでもコクピット色の部分はウオッシングがしてあります。飛行機ですし、インテリアですからそれほど汚れないでしょうからね。わからないくらいでちょうど良いんです。
余談ですが、このXF-71コクピット色(日本海軍)ですが、タミヤにしてはめずらしく、中身と蓋の色がものすごく違います。エアブラシに残った塗料を蓋に吹き付けて、蓋の色を正しく直しておいてあげました。
胴体の貼り合わせ
いきなり機体の組み立てに入りました。左右の貼り合わせと背中の部分のパーツの取り付けです。
さすがはタミヤです。驚異のパーツの合いです。全くぴったり合います。ただ雑誌の作例で、背中のパーツをはめる前に十分にすりあわせをしなさいと書いてあったので、すりあわせをしたら、接着用のダボに付いた塗料の分だけパーツが浮きます。そこで、塗料をデザインナイフで丁寧にはがしたら、ぴったりと収まりました。青竹色のシミ出しがなければどこが合わせ目かわからないほどつるつるです。
雑誌の製作ガイドでも整形用のサンドペーパーは#1000だけで十分と書いてありましたが、まさにその通りです。タミヤの技術に脱帽です。
飛行機のキットはパネルラインの真横にリベットがびっしりと付いているので、合わせ目の整形が必要になると、リベットの付け直しになります。タミヤのキットはその作業がほぼ最小限に抑えられそうなので、私のような飛行機初心者には非常に助かります。
(全作品完成まで あと13)
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拝見させて頂きました。まずは大変な中での製作お疲れ様でした。気合いの入った作品に只々敬服の念が絶えません。モデラーとしてのノウハウが至る所に見受けられますし何より安定感のある仕上がりにすごく魅了されました。全体の色が一般的に用いられるカラーよりやや黄緑色で仕上げられてる点は特に参加になりました。私めも次回零戦を製作するにあたっては製作者様の真似をさせて頂きます。大変勉強になる楽しいブログを見させて頂きありがとうございました。