ドイツ・試作重戦車VK.45.02(P)H Op.245 制作開始
2011年4月16日
Category : AFV ドイツTags : ケーニヒスティーガー
ティーガー2戦車の候補として設計されたVK.45.02(P)Vですが、重量配分が前に加重がかかりすぎていたり、乗員用のハッチが確保できなかったりとあまり良い設計では無かったようで、次に砲塔を後ろに移動させたH型が設計されます。通常の戦車に比べるとずいぶんと変わった形に見えますが、エレファントの戦闘室をそのまま回転砲塔にするとこんな形になりますよね。車体はエレファントとほぼ同じですからね。
V型に比べるとH型はより実用的な設計になってはいるのですが、足回りの弱さやハイブリッドシステムの信頼性の低さは解決されておらず、結局ボツとなってしまいます。ただ、VK.45.02(P)を作るならばやっぱりH型が本命でしょうね。先にV型を白箱で出して、その後にH型を緑箱で出すとは、サイバーもなかなか策士ですね。私もまんまとはめられました(笑)。
V型ででたらめだった説明書はより量産される緑箱のH型では修正されるかと思いきや、まるでそのままです。まったくどういう神経をしてるんでしょうね。いいキットなのに残念です。
ニューキットレビューですし、類似車輌の2輛目ということもありますから、組み立て作業の解説はさっさとすませるつもりです。組み立ての罠などに関してはV型の記事を参考にしてください。V型とは異なる作り方をした部分を中心に解説していきます。
履帯の弛み
まずは足回りから組み立てます。V型同様にDS素材のベルト式履帯が付属します。軟質プラなのですが塗装接着が簡単にできるので非常に便利ですよね。履帯の長さは丁度いいくらいなのですが、巻いただけでは残念ながら少し浮き気味になってしまいます。これでは履帯の重量感はありませんね。
そこで接着剤で転輪に接着するのですが、転輪に接着しただけでは上のV型のように履帯が角度を持って折れ曲がってしまいます。本当は下のようにゆるやかなカーブを描いて垂れるのが本当ですよね。しかし一番端の転輪に接着しないで垂れさせるのはなかなか簡単にはいきません。
そこで車体に穴を開けて、0.8mmのピアノ線を通し、履帯を押さえつけてタレさせることにしました。この方法はベルト式の履帯がまだ一般的だった昔によく使われた方法だそうです。
気になるのはピアノ線が見えちゃうんじゃないかということですが、ご心配なく。履帯の半分ほどかかる程度の長さにしているのでほとんど目立ちません。しかも履帯の凸凹の間に挟まっているので、よほど注意してみないと見えません。
足まわりの塗装と仕上げ
V型の時は全部塗装してから足回りを組み立てました。これが出来るのが軟質プラの履帯の利点です。ですが、今回はフェンダーがついてしまうとピアノ線が通せなくなる心配が出てきました。そこで足回りだけ先に塗装と組み立てを済ませてしまうことにしました。
いつものように履帯の下塗りと同時に影吹きをすませます。足回りはほぼ真っ黒ですね。
車体はダークイエローで塗装した後、フラットアースで土埃の汚れを吹いておきました。
足回りは先に履帯も含めてピグメントで仕上げ、さらに履帯の接地部分やガイドホーンは銀色をこすりつけてあります。
転輪に接着剤を塗って固定します。接着剤が固まるまではティッシュでおさえておくのですが、このDS素材は非常に良く接着できるので助かります。ピアノ線はもうすでに通してあります。
履帯が固まったようなので、ティッシュを外して今度は車体の上部を接着します。どうですか履帯の自然な弛みが再現できました。サードパーティー製の組み立て式履帯を使えばもっとリアルにできるのでしょうが、それでは費用も時間もかかってしまいます。キット付属のベルト式履帯でもここまでできます。古い手法もまんざらじゃないですよね。
(全作品完成まで あと95)
この記事は i-modellers第2号 に掲載された記事 を再編集したものです。
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