ドイツ・1号戦車B型 その11 履帯の取り付け
2021年9月12日
いよいよ1号戦車の制作も大詰めになってきました。戦車で残っているのは足回りの汚しと履帯の取り付けです。建築現場なんかで重機なんかを見ると土の露出した現場では思いっきりドロドロになっています。履帯を履いている車輌は思いっきり泥を持ち上げるみたいですね。そんなわけで最近では戦車の仕上げでは上半分はともかく、足回りはわりとドロドロに仕上げています。
詳しくはつづきをどうぞ…
車体下部と足回りの汚し
まずは車体の下部、フェンダーから下の部分をドロドロに汚します。ピグメントはただの粉なので厚塗りしても乾くと取れちゃいます。そこでまずピグメントの前にモデリングペーストをコテコテと塗りつけて貯まった泥を作ります。その上からピグメントをアルコールで泥状に溶いて塗りつけます。さらに表情を付けるために色の濃いピグメントをあちこちにまだらに足したりします。付けすぎた場合はこすって落としたり、溶剤を垂らしてぼかしたりと、まぁ気が済むまであれこれ汚します。
私はこの作業をマスクもせずに何年も続けたので肺の機能が少し落ちてしまっています。血中の酸素濃度が健康な人よりも少し低く煙草を吸っている人なみなんだそうです。最近はコロナの対策で会社にも血中酸素濃度を測る機械がありますし、家のそこらじゅうにマスクが転がっているので、ちゃんとマスクをして作業をしています。不織布のマスクがピグメントの粉塵にどれほど効果があるのか知りませんが、しないよりは絶対いいでしょうね。ピグメントの粉はコロナウイルスよりは思いっきり巨大ですから、マスクで止まってくれるような気がします。みなさんもエアブラシやスプレーでの塗装作業をするときや、ピグメントの作業をする時はマスクをしてくださいね。
ピグメントは乾くと全部カサカサの色になるので、濡れた泥を再現したいときは、ピグメントをツヤ有りのクリアで溶いて塗りつけます。これなら乾いてもテカテカの濡れた泥のままです。
履帯の汚し
履帯も同様に汚します。焦げちゃ色で下塗りした履帯はその上から軽くメタルカラーのダークアイアンを吹きます。しっかり塗れたのかよくわかりませんが、飛び出ている部分だけ付いていればいいので、適当にザックリ塗れば大丈夫です。
ダークアイアンの上からいよいよピグメントで汚します。モデルカステンの履帯は小さなピンで留まっているだけなので汚すときはエナメル系の溶剤は使えません、ピンが溶けちゃいます。私はいつも消毒用のアルコールを使います。燃料用の方がずっと安いのですが、あれはメチルアルコールが混ざっているので吸い込めば毒です。まぁ、ラッカー溶剤をいつも吸い込んでいるモデラーのみなさんには今さらなんでしょうが、それでもその気になれば飲める(ホントカ?)消毒用の方が安心ですよね。焼酎の思いっきり濃いヤツですからね。
車体に塗ったときよりは薄めに溶いたピグメントを履帯にべちゃべちゃと塗ります。乾く前に他の色のピグメントをポンポンと粉のまま筆でまぶして単調にならないようにしています。今回は少し黒い目に仕上げています。特に理由はありません。黒い地面の戦場という想定です。
ピグメントが乾いたら固い毛先の短い筆でピグメントをこすって落とします。隙間に入っているピグメントはそのままで、地面と擦れる部分や、転輪と擦れる部分のピグメントを落とします。下に塗ったメタルカラーもこすることで金属光沢が出てくるので、良い感じに未塗装の金属の履帯って感じになります。
履帯の取り付け
履帯を取り付けます。前の方はフェンダーとの隙間が狭いので後ろから履帯を入れていきます。履帯の先端が起動輪まで到達したら起動輪に接着します。そして反対側の端を転輪の下から起動輪に回して、起動輪の歯にひっかけて輪を閉じます。可動式履帯なので自重で自然に垂れた状態になるのですが、本物の履帯と違って金属製じゃ無いのと、汚し作業で少し動きが渋くなっているのとで、ピンセットで形を整えてやらないと自然な感じになりません。もう一コマ入れてダラダラにしたらもう少し垂れてくれるのでしょうが、あんまりダラダラってのもドイツ戦車ぽくなくてイヤです。なんでもキチンとしているドイツ人は戦車の履帯もそこそこちゃんと張ってたんじゃないでしょうかね。
サスペンションもちゃんと可動します。下が凸凹になるとその分履帯の長さが必要になるので、上部転輪の上がピンと張ります。
車体上部の汚し
車体の上部も汚します。スミ入れのスミが少しのこったので何もしなくても薄汚れちゃったのですが、さらに別の汚れを追加です。足回りを汚したのと同じピグメントを薄く溶いてフェンダーの上や汚れのたまりそうな隅っこに土汚れを付けました。またそれほど多くは無いのですが、ハッチの縁や車体の天板、フェンダーの端っこにチッピングを入れています。あとエンジンデッキの給油口の周囲には油汚れを付けたり、スコップの柄などの手で握る部分を黒っぽく汚しました。
戦車が完成
これで1号戦車B型が完成です。ちっちゃな戦車でしかもジャーマングレーの単色なのですがそれなりに制作は楽しめました。エッチングパーツとかも使わずに履帯以外はほぼ素組みですが、戦車がちっちゃいせいなのか密度感もあって良い感じです。
以前作ったA型と並べてみました。A型では転輪が1つ少なく誘導輪が転輪と一緒にサスペンションに組み込まれています。そのためB型では誘導輪が余分に付いたみたいに見えます。より大きなエンジンを積むために車体を延長されたのですが、エンジンデッキだけで無く戦闘室も長く伸ばされていることがわかります。ほんのちょっとの車体の延長なのですが、それによって随分と印象が変わりますね。A型はまるっきりの豆タンクですが、B型はまがりなりにも戦車らしいプロポーションをしています。
これで残っているのはフィギュアだけになりました。2体だけなのでちゃっちゃと塗っちゃいましょう。
(全作品完成まで あと116)
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